Amazon Novaのテキスト生成モデルについて調査してみた #AWSreInvent

Amazon Novaのテキスト生成モデルについて調査してみた #AWSreInvent

Clock Icon2024.12.04

こんにちは、@TakaakiKakei です。

2024年12月2日~12月6日(米国太平洋標準時)に開催されるAWS re:Invent 2024で発表された、Amazon Novaのテキスト生成モデルについて調査した内容をご紹介します。

前提

以下のテキスト生成モデルを対象に調査しました。

  • Nova Micro
  • Nova Lite
  • Nova Pro

モデル比較には、AIモデルの比較情報を公開しているArtificial Analysisの執筆時点情報を適宜参照します。

https://artificialanalysis.ai/

料金について

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https://aws.amazon.com/jp/bedrock/pricing/

オンデマンドの料金は以下の通りです。競合モデルと比較しても、かなりの低価格です。

models Price per 1,000 input tokens Price per 1,000 output tokens
Amazon Nova Micro $0.000035 $0.00014
Amazon Nova Lite $0.00006 $0.00024
Amazon Nova Pro $0.0008 $0.0032
Claude 3.5 Haiku $0.0008 $0.004
Claude 3.5 Sonnet $0.003 $0.015

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Artificial Analysisのグラフです。左側にあるほど、低価格です。パワフルなモデルの位置づけのNova Proでも、Claude 3.5 Haikuよりも低価格なのは驚きですね。

速度について

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Output Speed

こちらは、モデルがトークンを生成している間、一秒間に受信されるトークンの数を示す指標です。左側にあるほど、一秒間に受信されるトークン数が多いです。Nova Microは試したときも感じましたが、受信する情報量が多いです。o1-miniとの回答品質の差次第は、高速な回答が求められるユースケースで、Nova Microを使うケースが増えるかもしれません。また、Nova Proもこの比較によれば、上位10番以内に入るほど速いです。

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Latency

こちらは、APIリクエストが送信された後、最初のトークン(またはトークンの一部)を受け取るまでの時間を秒単位で測定する指標です。Nova Microが圧倒的にレイテンシーが低いです。

コンテキストウィンドウ

See more information on any of our supported models

各モデルのコンテキストウィンドウです。コンテキストウィンドウが長いほど、より長いテキストを一度に処理できたり、会話の連続性が向上します。下記に情報をまとめました。

  • Nova Micro: 13万トークン
  • Claude 3.5 Haiku: 20万トークン
  • Claude 3.5 Sonnet: 20万トークン
  • Nova Lite: 30万トークン
  • Nova Pro: 30万トークン
  • Gemini 1.5 Flash: 100万トークン
  • Gemini 1.5 Pro: 200万トークン

Gemini 1.5系には及びませんが、Nova LiteとNova Proは30万トークンという長いコンテキストウィンドウを持っています。

回答品質

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Quality Evaluations

回答品質が最も高い位置づけにあるわけではありませんが、Nova Proは上位に位置づけられているので、回答品質は高い方と思われます。回答品質は言語やユースケースによって変わるので、もう少し検証してから判断したいと思います。

AWS公式ドキュメント

https://docs.aws.amazon.com/bedrock/latest/userguide/models-regions.html

モデルの利用可能なリージョンを確認することができます。現在は、バージニア北部リージョンのみです。

https://docs.aws.amazon.com/nova/latest/userguide/what-is-nova.html

AWS公式のユーザーガイドです。

https://docs.aws.amazon.com/nova/latest/userguide/invoke.html

through the Invoke API (InvokeModel, InvokeModelWithResponseStream) and the Converse API (Converse and ConverseStream)

Invoke APIやConverse APIから利用することができます。

宣伝)クラスメソッドでの生成AIサービスである、AI-Starterの社内開発環境でも、Converse APIを使って利用開始しています。

https://x.com/TakaakiKakei/status/1864060421818519692

https://docs.aws.amazon.com/nova/latest/userguide/modalities.html

マルチモーダルでサポートされるコンテンツタイプや制限などの情報がまとまっています。開発の参考にどうぞ。

さいごに

Novaのテキスト生成モデルについて、Artificial Analysisの情報を参考に、料金、速度、コンテキストウィンドウ、回答品質の観点から調査しました。

  • 料金: Novaシリーズは、競合モデルと比較して全体的に低価格であることがわかりました。特にNova Proがパワフルでありながらも、低価格であることが驚きです。
  • 速度: Nova Microは非常に高速で、Nova ProもOutput Speedで上位10番以内に入る速さを誇っています。これは高速な回答が求められるユースケースで大きなアドバンテージとなります。
  • コンテキストウィンドウ: Nova LiteとNova Proは30万トークンの長いコンテキストウィンドウを持ち、長い会話が必要なユースケースでも使いやすいでしょう。
  • 回答品質: 特にNova Proは上位に位置づけられており、回答品質は高いと判断できます。ただし、言語やユースケースによって品質は変わるので、さらなる検証が必要です。

今後もNovaモデルの活用方法や新たな情報について、引き続き調査していきたいと思います。

それではまた!

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